1860本の二十日大根、444パックのじゃがいもと向き合う
白露の候、秋色が目立つようになってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ファーマン井上農場、アイカフェファームの拠点、山梨県北杜市では朝夕、涼しくなり、昼にはとんぼが農場を自由に飛び回り、夜には秋らしい虫の声を聴ける時節となってまいりました。
おかげさまで、
夏のオーガニック生とうもろこしは大好評で即日完売。
ご注文いただいた皆さま、ありがとうございます。
10月‐11月には、人気商品の
オーガニックドレッシングを販売できると思いますので、どうぞお楽しみに♪
さて、今回
わたしは1日農家さん経験・体験をしてまいりました。
普段、わたしの社内での主な立ち位置はもともとオーガニックユーザーですので【お客さま目線】の商品企画、販売、レシピ考案、SNS発信をおこなっております。
しかし、同時に生産者側、販売側の立場でもあるわけです。
ご縁があって、この仕事に携わり、農家さんのご苦労も側で感じることもできます。大自然の恵と
ファーマン井上農場代表、井上能孝の言葉を借りるならば
【自然からの借り物】に感謝し、そして、全国の農家さんに尊敬の念に堪えません。
しかし、
・近くで見ているだけ。
・近くで話を聞いているだけ。
でいる、わたしは農家さんに少しも寄り添えていないのではないかと感じるようになりました。なので、今回、農家さんになってきました。
【この日の仕事】
●温度8度の冷蔵庫の中で、何時間も二十日大根1860本を手作業で検品、パック詰め。
●前日に引き続き、じゃがいも444パック分の手作業で検品、計測、パック詰め。
作業人数は、わたしを含めて5-6名です。
1860本の二十日大根を見るのも初めて。8度の冷蔵庫に何時間もいるのも初めて。二十日大根はよく見ると、変色していたり、小さな穴が空いていたり、少し取り除けば、食べられそうな商品もB級品となり、出荷できません。
外から見たら問題ないのに、切ってみたら中が空洞だったりします。
そんな細かく、神経を使う作業を数時間も冷蔵庫の中で続けると、身体が冷えて、唇は青ざめ、指の感覚もなくなってきて、足先から身体が冷えてきます。
検品して、想定以上にB級品が多いと予定していた数の出荷ができません。
自然の恵みは常に、偶発的なのです。
じゃがいもは検品後に、1パックずつ
内容量を測り、袋に詰めていきます。少人数の手作業で2日間で444パックです。途方もしれない、じゃがいもを目の前にお客様の食卓にお届けする為に残業をしても、その日に終わらせるのです。
ファーマン井上農場の野菜は、全て無農薬、無化学肥料です。虫食いもあれば、天候にも左右されます。
●何故か上手く育った
●何故か育たなかった
ということが発生します。その【何故か】は誰にも分かりません。
まさに、神のみぞしる
【自然からの借り物】を人間は受け入れるしかありません。
その中で、農家さん達は自然に寄り添いながら、毎日愛情をかけて、野菜や土のお世話をします。
その過程を経て、
私たちは食卓で「いただきます」と手を合わせることができるのです。
この仕事をしていると、時折、お客さまから厳しい意見も頂きます。
わたしはお客さまの気持ちも理解できますし、農家さんの苦労も理解しているつもりです。
1つだけ、お客さまに分かって頂きたいのは、野菜も一生懸命育ったし、農家さんも一生懸命育てたし、手作業で検品をしてくれたという事実です。
それでも、虫食いや変色が苦手でしたら、わたしは
「慣行農法のお野菜をご購入下さい。」とお伝えします。
オーガニック野菜に比べて、虫食い、変色のリスクが減るからです。
突き放してるのではなく、人間関係同様、攻撃することなく、
【合わなければ離れましょう】ということです。
その方が、両者にとってストレスがなく、ベストだと
わたしは思うのです。
今回、農家さんになってみて、大変なこともあったけど
ずっと笑顔で過ごせたのは作業した仲間のおかげです。
1人で冷蔵庫の中で数時間も作業して、大量のじゃがいもと向き合っていたら、泣いていたかもしれません。(笑)
井上さん、ファーマン井上農場の皆さま、素晴らしい出会いと、時間を
ありがとうございます。定期的に農家さんになりに伺います。
そして、ここまで読んで頂いた皆さま、いつもアイカフェファームをご愛顧頂いてる皆さま、いつも弊社を支えて頂き、ありがとうございます。
秋の気配が漂い始める季節の変わり目、どうぞご自愛ください。
アイカ